院長のひとりごと192
スタッフが一人辞めることになりました。
このスタッフは大変優秀で、高いスキルを持ち、常に自分を高める努力を惜しまない人です。
こんな優秀なスタッフが辞意を表明したら、施設の責任者なら遺留するのが筋です。
しかし私は遺留しませんでした。
元々来る者拒まず去る者追わずが私の方針ですが、それだけではありません。
このスタッフとうちのクリニックがうまくはまらなかった、と言う認識を持っていたからです。
もっと謙虚にいえばこのスタッフにはうちのクリニックより高いステータスがふさわしいと思っています。
うちは、スタッフ同士が連携してチームワークで仕事をこなしていくというのが、基本的かつ絶対的なスタンスです。
辞めたスタッフは、個を磨き上げて身につけた高いスキルを生かして、自分の仕事をこなしていくタイプです。
例えるならドクターXの大門未知子やハケンの大前春子のような個人主義の人です。
私はいっしょに仕事をしていてやりやすいスタッフでした。
残念ながら私のような感覚は同僚となるスタッフとは異なるものでした。
勝手な意見ですが、このようなスタッフは大きな病院で力を発揮できるのではないかと思います。
大学病院や公立病院等です。
多数のスタッフが働くところでは少々の個性は中和され、さほど問題にはならないからです。
しかしうちのようなこじんまりとしたクリニックでは、部署に無関係に全てのスタッフが色々と絡み合って働いているので、突出した個性はなかなか受け入れられない面もあるようです。
仕事が出来ない人が辞める場合は、これからこの人大丈夫かなと心配したりもしますが、このスタッフはどんな所でも通用する高いスキルを持っているので、きっと素晴らしい職場を見つけていい仕事をするだろうと思います。
たとえが間違っているかもしれませんが「過ぎたるは及ばざるがごとし」という諺が頭に浮かびました。
チームで仕事をしていくということは本当に難しいものです。
今回改めてそう実感しました。
今うちにはまっているスタッフに感謝し大切にしていきたいと思っています。