院長のひとりごと229
2023年は私にとってはほろ苦い一年となりました。
2年間の闘病の末、弟が亡くなりました。
自分の弟ながら見事な生き様であったと思っています。
亡くなる一月くらい前にあったのが最後でしたが、目には生気が宿っていました。
まさに彼は自分の人生を生ききりました。
父には言えなかった後悔があったので弟には
「おまえのことを心から尊敬しているし誇りに思っている。」
と伝えました。
両親と弟という家族全てが鬼籍に入ることとなり、言葉に出来ない寂寥感を味わいました。
長年勤めていたスタッフが介護の仕事をやりたいということでうちを去ることになりました。
スタッフの去就は今までもあったことであり、いうならば日常茶飯事であるのですが、このスタッフが去ることに対して自分でも理解できないくらいの虚脱感と落ち込みを経験しました。
生まれて初めての感覚で、自分の感情にただただ驚くばかりでどうしていいか分からず、今も整理がついていません。
若い人を応援する立場でいながら情けない限りです。
ここしばらく仕事に対して、多分に惰性的であった自分に対する天罰であろうと理解しています。
2024年は自分を高める努力をしなければと思っています。
別れに感傷的になってばかりでは進歩がありません。
弟の魂に応えるため、去るスタッフの励みになるように、自分の生き方をもっともっと生き生きとしたものにしていきたいと思っています。
別れの後には出会いが待っているはずです。
クリニックに関しても新しいスタッフ候補が現れました。
今まで築いてきたクリニックの診療を踏襲するばかりでなく、せっかく出会えるスタッフとこれまでなかった新しい診療を探していきたいと思っています。
決して若くはない私ですが、年齢など無視してひたすら可能な限り前へ前へと進んでいく意欲をスタッフに見せていければと思います。
いつまでも落ち込んでいては何より私をいつも支えてくれている妻に顔向けができませんから。