独り言

勉強

院長のひとりごと231

私は不得意なことが多いです。
画像診断もその一つです。
頭部CTは経験数がかなりあり、それなりに読めますが、胸部レントゲン写真は経験も少なく、自信がありません。
しかし日常診療では最も頻繁に目にするものなので、自信がないではすまされません。
2022年に肺がん検診のための胸部レントゲン読影講習会に参加しました。
講師の先生が大変素晴らしい先生でとてもわかりやすく解説して下さいました。
私の古巣の島根大学病院の先生で、ベストティーチャー賞を取られた方でした。
講演を聴いた後、この先生の本をすぐに購入しました。
私の悪い癖でその本が手元に届いたら、それで満足してパラパラとめくった後は本棚に入れたままになっていました。
2023年にも講習会があったのですが、残念ながら都合がつかず見送りました。
その後色々と反省すべきことが身の回りに起きたのをきっかけに、勉強をし直す決意をして、まずはこの胸部レントゲン読影から始めました。
70近い私の頭では20代の時ですらたいしたことがなかった理解力も低下しており、遅々としてページが進まなかったのですが、不思議なことにあるページの内容がすっと頭に入ってからはその後の理解が驚くほど早くなり、そうなると読むのが楽しくなりかなり速いペースで基礎編のテキストを読み切ることが出来ました。
今は応用編に取りかかっています。
実地で果たしてどれほど成果が出ているかは今後の課題ですが、少なくともおっかなびっくり行っていた読影をかなり余裕を持って行えるようになったことは確かです。
そして1番の収穫は研修医でも出来ることを学んだだけだとしても、この年になっても学ぶことが楽しいことを再発見したことです。
還暦を過ぎ、暦が戻り勉強もまた一から始めている次第です。
怠惰に惰性で毎日を過ごしていた自分としては、毎日のわずかの時間でしかないですが、テキストを読み頭を働かせ新しい知識をわずかなりとも積み重ねていくことの充実感をとても貴重に思っています。
亡くなる5日前まで仕事をしていた弟に恥じない兄を目指したいと思います。