独り言

料理長のプライド

院長のひとりごと228

毎月行く和食の店に行くと予約が通っていませんでした。
いつも帰り際に次の予約をしてくる店なのですが、以前女将に予約をしたら忘れられていたことがあったので、それからはいつも付いてくれる仲居頭の人に予約していました。
残念なことにこの人も女将同様当てにならない人でした。
毎回予約するのは料理も要予約のコースを頼んでいるからでもあります。
この日はいつものコースは無理だなと諦めていましたが用意すると仲居頭が告げてきました。
そして確かに体裁だけは要予約のコースの形で料理が出てきました。
しかし一品一品のクオリティはひどいものでした。
要予約で用意する料理ですから、それなりに仕込みに時間がかかるはずです。
それを予約なしで作るのですから当然仕込みのいらない物ばかりになるわけです。
しかしこのコースは料理長お任せコースなので文句は言えません。
料理長が好きな物を出すことをこちらは認めているわけです。
予約をとちった仲居頭はなんとか帳尻を合わせたくて無理にもこのコースを準備させたのでしょう。
この日は女将も社長も不在でこの仲居頭が店を仕切っていました。
雇われ料理長としては単価の高いこのコースを出す代わりに、準備の出来ている安いコースを提供することを許されなかったのかもしれません。
しかし要予約の料理が飛び込みの客に提供できるなら、故要予約にしているのか?
料理長お任せコースと銘打った料理を、帳尻あわせのその場しのぎの料理で繕って料理長は平気なのか?
元々大変美味しい料理を提供する料理長なのでひいきにしていた店ですが、女将や社長が不在だとこんな顧客不在の商売を優先させる店なのだと思いました。
今回の予約を頼んだ前回来店時も店には女将も社長も不在でした。
この店は大きな有名店で手広くやっているので、私のような客がなくなっても支障はありませんが、店には明かな緩みがあると思いました。
スタッフの緊張感が緩んだ時、とんでもないことが起こることは私も痛いほど経験しています。
この店を他山の石とすべきだと感じました。