独り言

古民家プロジェクト「おくり家」

古民家プロジェクト「おくり家」

院長のひとりごと168

母が倒れてから、7年空き家状態であった実家を人に貸すことにしました。
昨年母が亡くなり、遺言状に私が相続することが書かれていた家です。
弟にも相談して外観をできるだけ保存してもらうことを条件に借り手を探しました。
最近は古民家に人気が出てきているらしく、築100年を超える実家にも借り手がつきました。
中の整理をするのも大変で、遠方に住んでいるのでなかなか時間もとれません。
途方に暮れていましたが、借り手の人が「おくり家」というプロジェクトを提案してくれました。
古民家の多い金沢で生まれたイベントのようです。
沢山の人に家に来てもらい、家の中のもので気に入ったものを持ち帰ってもらうイベントのようです。

実家には高校卒業まで暮らしていたので、その頃読んでいた雑誌や着ていた服など懐かしい品が数々ありますが、とても持ち帰る場所はありません。
両親、祖母祖父たちの写真を持ち出しましたが、それ以外の品は全て借り手に委ねることにしました。
弟も自分の娘たちが使うタンスや和服などを持ち出したようです。
空き家のままだと近所の方に色々と迷惑をおかけすることもあり、気になっていたので借り手がついてほっとしています。
飲食店をされる方が借りてくれればこれからも度々立ち寄るかなとは思いましたが、借り手はアパレルの方になりました。
もしお店の一角でカフェをされることがあれば立ち寄りたいと思います。
家は住む人でその姿ががらりと変わります。

私たちが以前住んでいた滋賀県の家も、新しい買い手が住むと見違えるほどおしゃれに変身しました。
実家も若い借り手の方の感性で、全く違う様相になることと思います。
どんな風に変わるのかとても楽しみにしています。
実家の周囲も、以前家のあったところがみんな駐車場になっています。
そんな中で自分たちには住むことができないまでも、家が誰かのためにこれからも生きていくことがとてもありがたいと思っています。

若い借り手の方のお店が繁盛することを心から祈っている次第です。