独り言

遺言状

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遺言状

院長のひとりごと152

母の葬儀の後、四九日の法要を何とか済ませた翌日、母の遺言状の開示のために、金沢地方裁判所に出向きました。
裁判用語では遺言状の検認というそうです。
事務官に案内された部屋で待っていると、颯爽とすらりとした若い女性が入ってきました。
女優の様な美形で、こんな裁判官はテレビドラマでも見たことがないという思いで唖然として見とれていました。
形式的な手続きが進む中「では相続人にお聞きします。」とまっすぐ見つめられたとき「獅子座のAB型です。」と言いそうになりました。
20分位で手続きが済み、後見人をしていただいていた司法書士の方と、遺言状作成でお世話になった会計士の方と会いました。
会計士さんの話によると、私と弟の相続税は母の遺した預金で十分賄えるということでした。
父からの相続の折も相続税を母に払ってもらいました。
ただ、そのために父の遺した預金の2/3位を使ったので、今回の相続税は、自力で何とかしないといけないと、覚悟していただけに驚きました。
母は父の遺した預金を10数年の間に、5倍くらいに増やして私たちの相続税を準備してくれたのです。
しかし、母は働いていたわけではないし、財テクもしていませんでした。
あの広いけど古くて寒々とした家を守りながら、切り詰めた生活を続けた結果だと思いました。
そう思うと母が亡くなって以来、一番熱いものがこみ上げてきました。
私は文字通り「現金な息子」です。
母は遺言で、私と弟が生まれ育った家を私に遺すと記していました。
その他の資産は弟と均等に分けるようとありました。
それほどこの家に思い入れがあったということでしょう。
今は金沢に住んでいない、またこの先金沢に戻る当てのない私にとっては、この母の思いにどう応えようか今大変悩んでいます。
当分は時間を見つけて金沢に帰り、父と母の眠る墓にお参りして時間を過ごそうと思います。
相続税が解決したので、受け継いだものに関しては弟とも相談してゆっくりと考えることにしたいと思います。
永代供養、一周忌、三回忌とすべきことは目白押しですから。

2017年8月20日