黒字決算と臨時賞与
院長のひとりごと89
クリニックの、マネージメントに携わるようになって、7年くらいになります。
決算が黒字になる年度には、スタッフに利益還元ということで臨時賞与を出すようにしました。
これを始めて5年くらいになりますが、おかげで今年も出すことが出来ました。
スタッフには本当に感謝しています。
うちのクリニックの経理を見ていただいている会計事務所とは、古くからのお付き合いです。
まだ先代の理事長時代から、決算報告は一緒に聞いていました。
当時は赤字のこともあり、聞いているのがいやになる話も少なからずありました。
「でも、じゃあどうしたらいいのか」ということに関しては会計事務所の人は、殆どアドバイスらしきものをくれませんでした。
当時それが大変不満で、「あれこれ数字を並べて長々と説明してくれても、どうしたらいいのか教えてくれないのじゃ意味がない」と心の中で毒づいていました。
今、何とか経営が軌道に乗って当時を振り返り、自分がいかに独りよがりで甘えていたのかを思い知っています。
会計事務所の仕事は、あくまでも経営の現状を分析することであり、その結果に基づいてどうするか決めるのは、マネージメントの責任者であるこちら側のすることだと遅まきながら気づきました。
貧すれば鈍するというか、赤字決算を突きつけられていると分からないことが、黒字決算になると分かった次第です。
つまり、自分はマネージメントの責任者としては、未だ半人前であるということでした。
赤字の時こそ、冷静に分析結果を基に経営戦略を立てなければならないわけで、そのことを知悉している人こそが、本当のマネージメントのプロといえます。
そんなわけで、うちのクリニックがまがりなりにも黒字になったのは、毎朝早くから、骨身を惜しまず働いてくれるスタッフのおかげであるわけです。
臨時賞与は当然の報酬といえます。
私ほどではないにしても、多くの医師はマネージメントに関してはプロとは言い難いわけですが、そんな医師が経営できる現在の医療制度は、サービスを受ける患者さんにとって大変よい環境であると確信しています。
2012年7月17日