「お役所仕事」と言われてもしょうがない
院長のひとりごと65
間違いというのは誰にでもあることで、決して悪気があったからではないということは分かっていても、不快になるのは名前を間違えられたときです。
個人的にはしばしば「村越さん」と間違われることがあります。
かなり長く話していたり、以前から取引していたりしている相手にそんな間違いをされると、正直イラッとします。
新宮には熊野地という地名があるために、クリニックの名前を「熊野地クリニック」と間違えて郵便物や書類が届くことがしばしばあります。
その都度、スタッフに言って先方に注意を促していますが、なかなか無くなりません。
作曲家の團伊玖磨(だんいくま)さんは、随筆の中で「郵便物で宛名が‘団伊玖磨’となっているものは開封せずに捨てる。何故なら私は團伊玖磨であって、団伊玖磨ではない。私宛の手紙ではないから捨てるのである。」と書いておられました。
最近役所からの郵便物で、熊野地クリニック 院長宛、となっているものが届きました。
単なる通達ではなく、患者さんに関する公文書の提出依頼の郵便でした。
私は書類を全て完成させた後、誤記のあった1枚目の文書作成依頼の書面に、「書類不備」と朱筆して役所に電話で「公文書依頼の書類にもかかわらず、重大な誤記があったので作製できない。直ちに書類の不備を訂正して欲しい。」と伝えました。
朝一番に電話しましたが、午後4時頃に担当者が一字を訂正した書類を持ってクリニックに駆けつけてきました。
少々意地悪でしたが、日頃些細なことでも書類不備と突き返されることが多いので、うっぷん晴らしをしてしまいました。
しかし、たった一字を訂正するのに半日かかったことには、驚くというよりあきれました。
役所の仕事ぶりに関しては、霞ヶ関の官庁から始まって、末端市町村役場に至るまで、まだまだ無駄が多いのではないでしょうか。
かく言う私も、患者さんの紹介の手紙でしばしば誤字があるのですが、うちのスタッフは実に優秀で、その都度きちんと間違いを指摘してくれます。
たとえスタッフであっても、しかもありがたいことであっても、間違いを指摘されて気持ちがいいことはありませんが、間違えられたときの不快感を思うと、自分が同じことを患者さんに対してしてしまわないよう、いつもチェックしてくれるスタッフには心から感謝をしています。
2010年10月20日