不安神経症
不安神経症は、神経内科というより心療内科や精神科が専門とする疾患といえます。
しかしながら、多くの患者さんが私のところにも来られるので、神経内科の立場からお話しさせて頂きます。
心に強く残るストレスが原因で、多彩な症状が出現する状態を不安神経症と私は理解しています。
最も多い症状は不眠です。
気になることがあって眠れない。
夜何度も目が覚める。
という訴えです。
不眠になると身体のリズムが狂いますから体調がおかしくなります。
食欲がなくなり、便通が不規則になります。
すると、ますます体調が悪くなり、元々あった頭痛、関節痛、筋肉痛等がひどくなります。
すると、気分が悪くなり、何もする気がなくなり、あれこれくよくよ考えるようになり、不眠がさらに募ることになります。
この様な悪循環が起きるとまたたくまに体調が悪くなり、寝込むことすらあります。
ストレスの多い日常にさらされていると、この様な状況は程度に差こそあれ誰しもが経験することと言えます。
全ての始まりは不眠にあるといえます。
ですから、この様な悪循環を断つには健康な眠りを取り戻すことが一番重要です。
さいわい、副作用の心配が殆どいらない睡眠剤が数多く開発されています。
依存症の心配もいりませんので、是非、専門医にご相談の上、睡眠剤を服用することをお勧めします。
そして、悪循環を断ち切ってください。
快眠が得られると朝は爽快な気分で迎えられます。
すると、食欲も沸き、明るい気分になりますから、くよくよ考えなくなります。すると活動性が増すために夜には適度な疲労がおとずれ、ぐっすりと眠れるようになります。
こうなればしめたもので、睡眠剤から卒業できます。
睡眠剤や安定剤は乱用による副作用ばかりが取りざたされて、とかく敬遠する方が多いのですが、眠れなくて悶々とすることによる身体への負担を考えれば、うまく利用する方が遙かに賢明だと思います。
勿論最も重要なことは原因となったストレスを解消することです。
個人の背負っている問題を私ごときが解決することは出来ませんが、せめてお話を聞くくらいはさせてもらってます。