病気のこと

糖尿病の合併症-糖尿病性腎症-

糖尿病の合併症-糖尿病性腎症-

糖尿病による血管傷害は、腎臓の糸球体という血液を濾過する場所に起こります。
これにより、糸球体から血液中の必要な蛋白質が尿中に漏れるようになります。

また、この糸球体の出口の動脈にも傷害が起こります。
これにより、糸球体の血管の血圧が高くなり、益々蛋白の漏れがひどくなります。

これが、糖尿病性腎症です。
治療としては、糸球体に蛋白質が行かないように食事の蛋白を制限します。
具体的には一日に標準体重(第7回参照)1 kgあたり0.6 gの蛋白質の摂取に制限することが提唱されています。

また、糸球体の血圧を下げるために、血圧を125/75以下に下げることが提唱されています。
いずれの目標値も達成することはかなり困難ですが、糖尿病性腎症の進行を遅らせるためには必要です。

かなり厳しい食事制限と降圧剤による治療が糖尿病自体の治療に加わります。
本人と家族と医者の三位一体の治療が必要と言えます。
従って、私は先ず患者さんに信じてもらえることを目指してます。