病気のこと

視力障害

視力障害

ものが見えにくいという症状は、色々な原因で起こります。
ものが見えるとは、光が目の神経にきちんと届いて、なおかつ脳がそれを認識できるということです。

光が目の神経に届くためには、瞼がちゃんと上がっていること、目の光を通すところが濁っていないことが必要です。
また、一般には両目でものを見るわけですから、両目が光をちゃんと感じなくてはいけません。
瞼を挙げる筋肉を支配している神経が、傷害されるとものが見にくくなります。

この様なことを起こす病気としては、重症筋無力症と動眼神経麻痺があります。
重症筋無力症は、全身の筋肉に力が入りにくくなる病気ですが、瞼に強く症状が出ます。
朝はましですが、夕方になるにつれ段々悪くなります。
これには特効薬があります。
動眼神経麻痺は、脳梗塞や糖尿病で起こりますが、通常は片方の瞼だけに起こります。
大抵は自然に回復します。

目の光が通る部分が濁る病気は、眼科の病気である白内障と糖尿病網膜症が代表です。
手術が必要なこともありあます。
ものがぶれて見える場合は、両目がうまく見たいものをとらえていない場合があります。
両方の目を上下左右に上手く動かす神経が麻痺したときに起こります。
原因は脳梗塞や糖尿病が多く、自然に回復することが多いです。

目の光を感じる視神経に障害があると、光を感じられません。
脳梗塞や脳腫瘍で脳の圧が上がり、視神経を圧迫したときや、脳神経に炎症が起こる多発性硬化症という病気が原因となります。
外科手術が必要な場合もあり、内科的に治療する場合でも回復が困難なことが多いものです。

脳梗塞などで脳の光を感じるところが傷害されると、見えていることが分からなくなります。
皮質盲とよばれるものですが、光に対する反射は保たれているのに実際にはものが見えない状態です。
場合によっては本人が見えていないことを自覚していないときがあります。
治療は困難なことが多いといえます。

脳腫瘍で視野が狭くなる場合があります。
下垂体の腫瘍が一番多いものです。

この様に視力障害の原因は多彩で眼科、神経内科、脳外科等と多くの科が関わります。