「フクシマ」
院長のひとりごと71
連日「フクシマ」の問題が取り上げられています。
私の大学時代の同級生で、福島県在住の人がいて、同級生に向けてメールで色々尋ねてきています。
それに対して、多くの同級生が励ましのメールを送っているのですが、放射能に関して放射線科の教授をしている同級生を含め、それほど自分たちが精通していないことを改めて実感しました。
学生時代に、放射線物理学の様な講義があったことを、うっすらと覚えていますが、「放射能は蓄積効果があってやっかいだ」という一般の人の持っているイメージと大差のない認識しか、恥ずかしながらありませんでした。
テレビで専門家が話しているのを聞いていると、大量一時被爆と、少量持続被爆では被爆総量が同じでも、全く生体の反応は違うようですし、単純な蓄積効果というものも、今は疑問視されていることを初めて知りました。
自分の認識をすんなり修正できるベースは、学生時代に習ったことのおかげかもしれません。
これもテレビの受け売りですが、海外にある日本企業に勤務する外国人は今、日本への出張を首になっても断っていると聞きました。
たとえそれが関西や九州ですら、そうだということです。
日本人として内心忸怩たるものがありますが、自分に当てはめてみると、あながち彼らを非難できないと思いました。
私はヨーロッパ、アメリカ、カナダには旅行したことはありますが、アジア、アフリカ、中東、南アメリカ等には、一度も行ったことがありません。
これらの地域で学会が開催されたこともありますが、最初から参加する気はありませんでした。
それらの国の実情をよく調べることなく、いくつかのテレビや雑誌の情報から、それらの国々の衛生状態、治安状態が極めて劣悪で危険だと決めつけていたからです。
大学に勤務していた頃、もし私がそれらの国への出張を命令されたら辞職したかもしれません。
世界中の国の人たちに、日本は放射能汚染された人の住めない国だと思われる前に、私たちは「フクシマ」を解決しなければいけないと、ひしひしと実感しています。
2011年4月21日