病気のこと

ごまかせない検査「ヘモグロビンA1c」

ごまかせない検査「ヘモグロビンA1c」

糖尿病の治療を行う際に、うまくコントロール出来ているかどうかを見る指標があります。
普通それは血糖値だと思われがちですが、血糖値はあくまで参考に過ぎません。
しかも食前の血糖値はあまり利用価値がありません。

人間は誰しも自分のベストの姿を見せたいものです。
ですから、糖尿病の患者さんも、受診される前日あたりから食生活に注意していることが少なくありません。

その結果、受診時の血糖値は大変良い値となります。
ところが、ヘモグロビンA1c (HbA1c) という検査をすると「一夜漬け」を見破ることが出来ます。
この検査で1カ月の血糖の平均値が分かります。

つまり、1日や2日の努力ではこの検査値は良くならないのです。
毎日の努力無くしては良くならない検査です。
私はこの検査値を見て糖尿病のコントロールの指標にしています。
「学問に王道なし」といいますが糖尿病の治療にも楽を出来る王道はありません。
日々の食生活における努力が全てです。

次回は治療法を決める検査の話です。