歩行障害
歩行障害を起こす病気で、足の筋肉の悪くなる病気には、筋ジストロフィーとよばれる進行性の筋肉が痩せていく病気があります。
現在遺伝子異常が発見されたり、研究は進歩していますが、有効な治療法がありません。
神経の障害による歩行障害の代表例は、脳梗塞によるものです。
一般に片方の手と足の麻痺が起こり、麻痺側の足を引きずるような歩き方をします。
手も麻痺が出るため、手の振りが麻痺側で小さくなります。
最近増えてきたものに、パーキンソン病があります。
これは神経の働きが悪くなるために、筋肉がなめらかに動かなくなる病気です。
このため独特の歩行障害が現れます。
つまり、姿勢は前屈み、歩幅は小さく、手を振らずちょこちょことした歩き方になります。
時に一歩目が出なくなるときがあります(すくみ足)。
また、止まろうとしてもすぐ止まれなくなることもあります(突進現象)。
小脳が障害される病気では、あたかもよっぱらた時のような千鳥足になります。
体が不安定で倒れそうなので足を広げて歩くようになります。
皆さんも揺れる電車のなかでは、体のバランスを取るためにこんな姿勢になっているはずです。
また、回れ右がうまく出来ず転びそうになります。
平均台の上を歩くような、足のつま先とかかとをくっつける歩行が出来なくなります。
背骨の中を通っている脊髄という神経の中の、感覚神経の障害で目をつぶるとバランスが取れなくなる病気があります。
特別な貧血や梅毒で起こり、顔を洗うとふらつくということで見つかったりします。
また胸や腰の当たりの脊髄の障害で、両足が突っ張ってうまく動かなくなることがあります。
末梢神経の麻痺で、つま先がうまく上がらなくなる場合があります。
足の指が怪我しないように、麻痺のある足をより高く上げてかかとから下ろそうとする、特殊な歩行をとります。
スリッパがすぐ脱げてしまうという訴えで見つかることが多いです。
糖尿病などが原因で、足への血液の流れが悪くなる閉塞性動脈硬化症では、歩くと痛みのために休まないと歩けなくなります。
この様に歩行障害は色々な原因で色々な形で起きてきます。