スタッフの研究会
院長のひとりごと97
うちのスタッフと、仕事のことで色々と話していて強く感じることは、問題処理をパターン化して行っている、ということです。
リーダーのスタッフは皆しっかりとしていて、責任感も強く真面目です。
記憶力も良くて、私はよく助けられています。
ただ、新たな問題が起きたとき、意外にパニックに陥りやすいのです。
それが何故なのかと思っていましたが、パターン化して問題処理を行っているからだと気付きました。
血圧が低いときはAを投与、貧血がひどいときはBを投与、気分不快時にはCを投与、という具合です。
勿論大抵は、迅速な処置が行えるのでこれで事足りるのですが、パターン通りの対処で解決しないと、途端に行き詰まってしまうのです。
「血圧を制御しているのは末梢血管抵抗と心泊出量であり・・・」といった生理学的な背景を理解していれば、一つ一つ要因をチェックしていくことができるのですが、この辺の理解が弱いかなと案じています。
最近は、基本的なことをまとめたテキストを作製して各人に渡し、新人が入ると時間を取って、簡単なレクチャーをするようにしています。
ただ、ベテランのスタッフは、レクチャーを聴いていても結論にしか関心が無いのです。
「こうこう、こういう仕組みで血圧は下がるから、これこれの薬を投与する。」と説明しても、後半しか頭に残らないのです。
何か問題が起きて、私があれこれ対処法の説明をしていても、「そしたら、こんな時はこうこうしたらいいですね。」と結論を急ぎます。
リーダーの意識改革が無いと、全体のレベルアップはなかなかむずかしいと感じています。
意識改革のうまい方法が、なかなか見つからないのですが、年に何回か研究会で、スタッフに発表してもらうことにしているので、そんな折を、「何が問題で、どう対処して結果としてどうなって、それは何を意味するか」というように、スタッフが論理だって物事を考える機会にしています。
内弁慶が多く、発表者になることに尻込みするスタッフが多くて困っていますが、私はスタッフのレベルアップの貴重な機会なので、根気よくこれからも続けるつもりです。
2013年3月18日