パニック症候群
パニック障害では、突然、動悸が激しくなり、息苦しくなって、めまいや冷や汗、やがて手足にふるえがきて心臓発作を起こしたのかと思い、このまま呼吸困難になってしまうのではないか、とすごい恐怖に襲われます。
この様なパニック発作があって、なおかつそれによるなんらかの生活上の支障が発生して、はじめてパニック障害と診断されます。
パニック発作は、初期のころは一ヶ月に1~2回という頻度で起こりますが、症状が進行すると、週に1回など頻発するようになります。
また、最初のころは、なんの前触れもなく発作が起こっていたのが、しだいにある一定の状況下で発作に見舞われるようになります。
条件反射的に発作を起こす人もよくみられます。
これを予期不安といい、常に予期不安にさいなまれる場合と、一月のうち数回だけ不安に感じる場合とさまざまです。
期不安がこうじると、今後は広場恐怖を招きます。
広場恐怖とは、パニック発作が起こった時、逃げることが困難な場所、助けが得られないかもしれない場所にいる事、恥ずかしい思いをしそうな場所にいることへの不安を感じ、しだいにその場所に行く事に恐怖を持ち、避けようとする行動をとるようになることです。
広場恐怖が起こりやすいのは、電車や車、飛行機などでの移動中、エレベーターの中、橋の上、会議室や美容院です。
一方、家の外や家の中で、たった一人きりでいる時や、単独で列に並んでいる時などに起こる事もあります。
単独でいる事を非常に恐れ、いつもだれかと行動をともにしたがったりする人もいます。
症状が進行するにつれてしだいに広場恐怖の程度も深刻になっていきます。
初期のうちは、外出がおっくうであっても必要ならば外出する事ができます。
しかし、しだいに一人で外出する事ができなくなり、さらに進むと引きこもりのような状態になって、つきそいの人がいなければ一歩も外に出られなくなります。
病気の経過とともに、程度は激しくありませんが、残遺症状に変わっていく場合が多く見られます。
症状が出ない状態まで必ず良くなる病気ですが、行動療法をやらねばなりませんし、完治するまで2~3年はかかると思って下さい。
軽症であれば神経内科でも治療可能ですが、症状の進んだものは、神経科や専門医扱っている心療内科を受診することをおすすめします。