独り言

Restructuring

リストラ

Restructuring

院長のひとりごと56

知人がリストラにあったと聞き、少なからずショックを受けました。
長く会っていませんが、大変優秀な人で人格者でもありました。
何故そんな人材を企業は切り捨てるのでしょうか。
企業の経営改善のために、リストラをすることが常套手段となっていますが、短期的には経営は改善するでしょうが、長期的に見てこれは自らの首を絞める行為でないのでしょうか。
第一に余剰人員というものが本当に存在するのでしょうか。
いなくてもいいスタッフなど組織に存在するのでしょうか。
本当にいるとすれば何故そのようなスタッフを採用したのでしょうか。
人が減れば自ずと企業の活力は低下するのではないでしょうか。
スタッフには給与を支払わなければなりませんが、スタッフはまた一消費者でもあります。
もしリストラされ収入を絶たれたら、企業は同時に自らの企業の利用者も失うことになり、景気の低下に拍車をかけることになるのではないでしょうか。
もし人件費を30%カットすることが必要になったとき、人員を削減する代わりに、スタッフの給与をカットすることでまかなうことは無理なのでしょうか。
もしうちのクリニックで経費節減が必要になったら、私はスタッフに迷わずリストラではなく給与カットを提案します。
みんなで痛みを分かち合って窮地をしのぐことで、組織の連帯感も強まり、ピンチをチャンスに変える活力にもなるのではないのでしょうか。
リストラというのは人の生活を脅かすことです。
それは一歩間違えば人の命を脅かすことにつながります。
そういう意識を経営者は持つべきだし、命を粗末にする組織に明日があるとは思えません。
大胆なリストラにより、企業を再生させたとマスコミに評価されている経営者が何人もいますが、3年、5年といった短期ではなく、10年、20年先を見据えた時、組織や日本経済に本当にプラスとなっているのでしょうか。
私は経済に疎いし、経営者としての経験も浅いですが、人を大切にしないで何を大切にするのでしょうか。
命の大切さと皆口を揃えて言いますが、その言葉とリストラは相容れないものに思えます。

2010年2月21日