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院長のひとりごと87
昨年末から、スタッフが立て続けに辞めることになり、補充がなかなかつかずに、てんやわんやの日々を送っています。
辞めるスタッフは皆、まだ若い人たちで、それぞれ新たな目標に向かって進みたい、というのがうちを辞める理由です。
うちにとっては将来のリーダーに、と期待していた人たちなので大変残念ですが、気持ちよく見送りました。
考えてみれば、私自身もあちこちに所属を変えています。
研修医は内科教室の所属でしたが、通常はその後所属するべき内科には入局せず、神経内科に入局しました。
神経内科で学位を取った後、通常は神経内科に籍を置くものですが、薬理学教室に籍を移しました。
臨床から基礎に移った人は、そのまま研究生活を送るものですが、私は内科に再び戻りました。
それも神経内科ではなく、内分泌を中心にした内科でした。
そこで落ち着くべきなのですが、10年後血液透析を行うクリニックに移り、今に至っています。
さすがに、もうこの先変わることはないと思いますが、自分の転々としてきたキャリアを顧みると、30代でこのままではいられないと、新しい場所に旅立っていったスタッフの気持ちが、よく分かります。
30代の私は薬理学教室にいましたが、その頃大学構内に桜が満開になる時期がとても憂鬱でした。
まぶしいばかりに、希望にあふれた新入生が現れる時期だからです。
希望にあふれるかれらの姿の象徴の様な桜の花がいやでした。
薬理学から内科に戻って過ごした時間は、大変有意義で楽しい時間でした。
その頃から春の桜がきれいだと楽しめるようにもなりました。
今は花見酒飲みたさに、桜の開花を待ちこがれています。
30代というのは人により様々でしょうが、色々と心乱れる時期なのかもしれません。
そのときは、先が見えない気分でつらい気持ちもありましたが、今は悩んでいる人たちがうらやましい限りです。
クリニックを巣立っていったスタッフたちが、新しい場所で春の桜を楽しんでくれることを祈っています。
チャンスがあれば、一回りも二回りも成長した彼らとまた仕事がしてみたいとも思っています。
2012年5月21日