独り言

リーダーシップのない首相

総理大臣

リーダーシップのない首相

院長のひとりごと61

「二人の男が形の全く異なる二つのコップに酒をつぎ分けています。どちらの男にも納得するようにつぎ分けるにはどうしたらいいですか?」
というクイズがありました。
答えは「一人の男に酒をつぎ分けさせて、もう一人の男に自分のコップを選ばせる。」でした。
ポイントは、どうやって正確に酒を二等分するかではなく、どうやって二人を納得させるかという点です。
沖縄の基地問題を見ていて、色々と思うことがありました。
私たちの身の回りにも、どうしても全員の利害が一致しない問題は多々あると思います。
基地の場所として、軍事的な観点から、沖縄以外の選択はないとアメリカは判断しています。
日米安保条約を破棄しない限り、基地は沖縄から移設できないと結論づけられます。
沖縄から基地をなくすという選択肢は、本来なら日米安保条約を継続するか、破棄するかという観点から論ずべき問題といえます。
破棄すれば沖縄どころか、日本中から基地が無くなります。
確かに日本には、世界有数の兵器が自衛隊という形で存在します。
しかし、日本人には自衛隊を含めて武力による自国防衛、という意識はありません。
現状では、竹槍で攻めてこられても侵略されると思います。
私は日米安保条約の破棄は、現段階ではすべきでないと思います。
沖縄の人たちには大変な犠牲を強いることですが、基地は沖縄に存続せざるを得ないと思います。
今、沖縄の人たちの不満・怒りが100として、これをいかに70なり50なりに減らすか、それこそが日本人全体で考えるべき問題であり、政治家がリーダーシップを取るべき問題だと思います。

かつて島根医大時代に、4内科学教室合同の会議がありました。
議長は私たちの教室の教授でしたが、見事なリーダーシップを発揮して会議を仕切られました。
よその教室のスタッフからは、随分強引で自分の意見が一番みたいな仕切りだ、と思われたかもしれません。
しかし会議で何かを決めるには、強い意志と明確な考えと、全ての責任を取る覚悟がリーダーには必要だと思いました。
それら全てが欠如した首相を選んだ責任を、今日本人全体で考えるときです。

2010年6月21日