病気のこと

インスリン注射と低血糖

インスリン注射と低血糖

糖尿病の治療としてインスリン注射を行う際に、必ず説明することが低血糖です。

これまでお話ししましたようにインスリンはごく少量で血糖を下げる働きがありますから、注射する量が多いと血糖が下がり過ぎる、すなわち、低血糖を起こします。

血糖値が下がりすぎると具体的には、手がふるえたり、気分が悪くなったりします。
希には意識を失うこともあります。
これは脳で必要な糖分が足りなくなるためです。

この予防のために、インスリンを注射している人は必ず角砂糖、スティックシュガー、氷砂糖などを持ち歩くようにお願いしています。

しかしながら、低血糖を恐れるあまり、少々気分がすぐれないとすぐに糖分をとる患者さんがおられます。
これはかえって、カロリーの取り過ぎとなり血糖を悪くしてしまいます。

きちんと食事を取り、適正なインスリンの注射を行えば、低血糖は滅多に起こるものではありません。
石橋を叩くのはいいですが、渡ることを忘れないで下さい。